文星芸術大学アニマルアート科
ちばてつや先生が学長をつとめられていた文星芸術大学に2019年4月から【アニマルアート科】が新設。
客員教授として年数回講義を行なっています。
動物を描く時は自分の中から見える曲線や造形の表現が動物を形取って現れ、彼らの魂の〝気〟を直感的に捉え、弾むような生命観や美しさを描き出したいといつも思っています。
アニマルアート、という言葉は特にどこかで聞いたわけではなく、アメリカ、ヨーロッパに何度か行き、日本以外の色々な地域の動物をモチーフにした美術や工芸品などを見るうちに30年くらい前から自分で自然発生的に使い始めたと思います。
那須・宇都宮との関わりは動物が繋いでいる縁です。
最初に絵を提供したのはプロ自転車チーム那須ブラーゼンの応援キャラクター【風狐】です。その後那須どうぶつ王国さんと関わり、そしてproject9bが立ち上がり…動物、神獣を長い事描いて来た身にとってはまさにご縁でした。文星芸大マンガ専攻の田中誠一教授(先生とは3.11からのご縁です)に自身のアート制作とアニマルアートについて色々とお話ししていたところ、「来年大学に〝アニマルアート科〟新設します」と連絡が。日本の美術大学では初の取り組みだそうです。
骨格や動物生態学など基礎的なカリキュラムもしっかり組まれており、私達は定期的に特別講義という形で教えています。一口にアニマルアートと言っても多岐に渡り、人間は洞窟壁画の太古の昔から動物を様々な形で描き、形作って来ています。現在でも美術、アニメやゲームなどのエンターテイメント、ゆるキャラまで様々な場で動物は大人気で欠かすことができません。しかし、描くとなると難しい…技術が必要…というイメージが一般にはあるのではないでしょうか。難しく考えず、簡単な記号からも動物って描けるよ、という実践をして見せる事で、もっと動物を楽しんで描こう…という発想を伝えるのが役割だと思っています。若い人たちが先達の残した数々の造形に多く触れ、自らも描く事でもっと動物の魅力を感じ、発信してくれたらと願っております。
学生のリクエストでハイエナを例にレクチャー
学生が提出した課題を元に
骨格など動物のデッサンを教える総合造形専攻の多田夏雄教授(右)からの課題提出の講評
那須ブラーゼンマスコットキャラクター【風狐】
ちばてつやMANGAイノベーション研究所にも在籍しています^^